top of page

小さな演奏会

maikolucky

先日、小さな演奏会をしました。「小さな」というのは、通常の演奏会の半分の45分くらいの演奏会だからです。会場も小さめで、お客様との距離が近く、私としては留学中に経験した個人宅で行われる「ハウスコンサート」のような温かいカジュアルな演奏会を目指しています。コロナ前にも一度開催しましたので、今回は3回目の小さな演奏会です。


この小さな演奏会ではお客様に音楽を聞いていただくだけではなく、作曲家のことや曲の背景などを少しお話ししてから弾いています。どこの国の人で、どんな時代を生き、そしてこの曲はどういう曲なのか。音楽は、最終的には聞いた音楽そのものを味わってもらうことが一番いいのですが、誰しもが初めて食べる味を一口目から好物になるとは限りません。何度も食べるうちに慣れてきてそしてどんどん好きになることだってあります。音楽も、初めて聞く曲を突然好きになるとは限らないですが、作曲家のことやその時代、曲の背景を知ることで何か心に引っ掛かるきっかけになるかもしれないと思っています。音楽に出会う入り口は何でもアリです。


今回の小さな演奏会ではテーマを「夜と夢」として、テーマに沿った小品ばかりを選びました。その結果、ピアノソロに編曲された歌曲を3曲弾くことにしましたので、歌詞を自分で日本語に翻訳し、恥ずかしながら朗読させていただきました。演奏会で詩を朗読するなど初めての試みだったので少し心配でしたが、お客様にはあたたかく聞いていただけたようでホッとしました。


そのうちの1曲、フォーレの「夢のあとに」はグレインジャー編曲でしたが、ソステヌートペダル(真ん中のペダル)の指定があちらこちらに!最近のピアノは3本ペダルが主流になっているようですが、真ん中のペダルはあまりよく使われません。が!このグレインジャー編曲ではそのペダルを指定されているのです。それもいたるところに!お客様にはそれぞれのペダルがどのような効果のあるものか実演を交えて説明をし、また真ん中のペダルはアプライトピアノとグランドピアノでは機能が異なることなどお話ししました。


こんな感じで、8曲の小品を演奏しましたが、あっという間でした。本当に自由に、好きなように組み立てた45分間の小さな演奏会ですが、これからも細く長く続けていきたいと思っています。

暗くて寒い冬が終わって春の香りで満たされる頃、次の小さな演奏会をしたいと思っています。





 
 
 

Comments


bottom of page