2ヶ月前のことですが、ヴァイオリンのコンクールを聞いてきました。私が聞いたのは小学生部門です。学びのある面白い体験になったので、私なりの感想をここに書き記します。
まず、私自身はヴァイオリンは弾けません。ただ、ヴァイオリンは小さな頃からものすごく好きで、伴奏科にいったのもヴァイオリンをそばで聞いて近くに感じたかったからだと思います。ジュリアード音楽院でもヴァイオリンの伴奏をいろいろとさせていただきました。
そして今回、自分が小学生のヴァイオリニストたちの演奏のどこを聞いていたのかを考えました。
基本的には3つに絞られました。
①音の美しさ
②音程
③音楽的な魅力を曲から引き出せているか
一つずつ説明します。
私には細かいテクニックについてはわかりません。例えば、弓の持ち方の良し悪しや、ボウイングについてなどなどです。なので、注目点はおのずとテクニック以外のことになります。
①音の美しさ
私がヴァイオリンが大好きな理由の一つは弦楽器特有の音の美しさです。プロのヴァイオリニストの出す音の魅力的なことといったら!妖艶という言葉がぴったりです。まるで魔力があるようでほれぼれするのです。だから音の美しさは大事なポイントの1番です。
②音程
音程も大切です。音程を正確にとるなんて、その大変さはピアニストからしたら想像を絶するほど難しいことです。すごく難しいことはわかりますが、でも聞き手としては音程がずれたらやっぱり気になってしまう。
③音楽的な魅力を曲から引き出せているか
これは音楽が音楽たるところというか、その曲がいかにテクニカル的な要素の大きい曲であろうと、フレージングや音色の変化、緩急などを使ってその曲から目一杯音楽を引き出し、自然な表現に結びついているかどうかというところです。
そしてふと思いました。ピアノでも聞いていることは結局は同じようなことなのではないかと!②の音程作りだけは我々ピアノ弾きには関係ないですが(これが無くてヨカッタ…)①音の美しさ、③音楽的に弾く、この両方はピアノにも共通のことだと思いました。そして良いテクニックというのはきっとこの①〜③を実現させるために必要なことなんだと思います。
ピアノのコンクールだときっともっといろいろなことに気が行ってしまうでしょうけれど、ピアノではない楽器のコンクールだったからこそ「音楽ってやっぱり突き詰めるとこれなんだよね!!!」っていうことを再認識できた日となりました。

Comentários