top of page

夏のこと、そして2017年後半

maikolucky

今年の夏も、年に1〜2度行っているカリフォルニア北部で1ヶ月過ごしました。いつでも遊びにおいでと言って受け入れてくださる方があるからこそ、こんな贅沢な時間が過ごせると感謝しながら夏休みを満喫しました。今回はロサンゼルス近郊のサンタバーバラまで出かけて、私のジュリアードでの恩師ジョナサン フェルドマンに会ってきました。ジョナサンはサンタバーバラで開催されている"Music Academy of the West"で毎年Collaborative Pianoを教えておられます。サンタバーバラまではサンフランシスコから車で南に6時間ほど。私の泊めていただいているお宅はサンフランシスコからさらに北に小1時間ほどのところにあるので、サンタバーバラまではストレートに運転して7時間ほどでしょうか。友人の運転する車で、行きは途中のサンルイスオビスポで一晩過ごし、二日目にサンタバーバラに到着しました。音楽祭ではジョナサンの一般公開されたマスタークラスを聴講しました。約5年ぶりに聞くジョナサンの音、懐かしい注意、途中で何度も客席からも笑いが起こるほど面白くてエンターテイメント性も高いのに大変深く勉強になるジョナサンのレッスンを聞けて目からウロコというより耳からウロコが何枚も剥がれ落ちる気がしました。ジュリアードでの記憶が怒涛のように押し寄せて何とも言えない懐かしい気持ちになりました。

カリフォルニア滞在の中盤にはリーディングセッションとして、室内楽を幾つか弾いて遊びました。ベートーヴェンのピアノ四重奏やフォーレのピアノ四重奏、シューマンのピアノ四重奏から美しい3楽章などです。コンサートではないのでみんなそんなに練習してきているわけではなく、ただ一緒に弾いて楽しいねという時間です。天井が吹き抜けた広いリビングで、窓から夕方の光が差し込んで涼しい風が吹き抜ける中ひとしきりリーディングセッションをした後はみんなでバーベキュー。大きなハンバーガーをほおばりながら近くのナパバレーのワインをいただきました。

滞在の終わりにはサンフランシスコオペラのリハーサルを見学させてもらえました。トゥーランドットとエレクトラです。主にオーケストラのリハーサルだったのですが、トゥーランドットは歌手が入ってのリハーサルも聞けました。やはり声量、迫力、声の美しさはもちろん、音楽的な上、歌声で演技している様子が素晴らしくて鳥肌でした。エレクトラはオーケストラのリハーサルだけ聞けました。クラリネット8人、ティンパニ2セット、ヴァイオリン4パート(4パート目はヴィオラ奏者の持ち替え)、金管セクションも大人数で、全員で100人くらいのオーケストラはすごい迫力です。オペラハウスのオーケストラピットにこれだけの人が入るのだろうか、と思いました。こういう得難い経験をさせてもらえるのも私にとっては「サンフランシスコ マジック」の一つです。

日本に帰ってきて、9月からはまたいつもの生活に戻ります。この秋冬は合唱と縁のある日々になりそうです。ピアノが弾けること、音楽と関われることに感謝して与えられた役目に精一杯向き合っていこうと思います。


 
 
 
bottom of page