小さな演奏会+朗読を終えて
- maikolucky
- 5月7日
- 読了時間: 3分
小さな演奏会の翌日。
無事に終えられて良かった…というホッとした嬉しさと、あぁ終わってしまった…という寂しさの混ざった気持ちで一日を終えました。
予想よりずっと多くのお客様にお越しいただいてありがたい思いと同時に、お客様とみんなで一緒に音楽を楽しむひとときを過ごせたことが幸せでした。
今回私は初めて朗読の方とのコラボレーションをしたので、リハーサルの時からいろいろと「初めて」のことに直面しました。まず朗読とピアノを一緒にすることに対して、私と竹田さんは全く違うことを想定していたのです。
竹田さんによると、普段慣れている「朗読会」では朗読の方が自由に読み進めて、ピアノの人はそれに合わせて弾くそう。朗読の側はピアノのことは全く気にせずに読んでいけば良いということで、朗読主導なわけです。
今回私の選んだ「懐中時計」と「ピーターとおおかみ」は、どちらかと言うとミュージカルのように言葉と音楽のタイミングが決まっています。朗読の側の完全なる自由は無いです。でも「懐中時計」の方はピーターとおおかみに比べるとずっと自由度が高く作られており、朗読に合わせられるところもありました。それでも、クラシック音楽は基本的に楽譜を書いた作曲家の意図を考え、楽譜を拠り所として演奏していくものなので、「最初に4拍待ってから読み始める」とか「ピアノが弾き始めたら読む」とかいうことは決まっています。
ピーターとおおかみはそれよりも細かくタイミングの決まってくる曲でした。音楽を特定のところまで弾き進めて行ったら朗読の人がこの文を読む、みたいな感じに決まっていました。
そこで、私が朗読の竹田さんにキュー(タイミングの合図)を出すことになりました。竹田さんは楽譜ではない文字だけの原稿を見ながらでしたので、タイミングを把握しているのは楽譜のある私だけです。ということで弾きながら竹田さんにキューを出していました。竹田さんが楽譜を読めないわけではないんです。でも楽譜の中の小さな日本語はとても読みにくいし、ずっと楽譜を目で追い続けなくてはいけなくなり、あまり良い方法とはいえません。私にとってはキューを忘れずに出しながら演奏するというのは集中力を試されました。リハーサルで何度となくキュー出しを忘れたので…。
今回は私が自分で翻訳したものを竹田さんに読んでいただいたので、どうしてもタイミングが合わないところは言葉を変えて長さを調節したりということが簡単にできてよかったです。著作権が切れているからこそできたことでした。
この演奏会、いつもはもっとゆる〜く簡単な感じでリハーサル室でやっていましたが、今回は初の中ホールで、事前のホール打ち合わせや、音響や照明など専門の舞台裏スタッフが細やかに調整くださったりと、本格的な演奏会のようになりました。また、お知り合いのご家族には椅子を並べたり机を出したりと様々な肉体労働の他、受付もしていただき、本当に支えていただきました。感謝の念に堪えません。
リハーサルを通して一緒に試行錯誤しながら作り上げてくださった竹田りえさんに本当に心から感謝いたします。いつか遠くない未来にまたこの演目を再演できる日が来ることを願います。
ご来場くださった皆さま、本当にありがとうございました。






コメント